福生天王囃子
伝統・文化福生天王囃子
福生天王囃子(ふっさてんのうばやし)
福生神明社にある八雲神社の祭礼は、昔は「天王様のお祭」とよばれ、江戸時代後期からつづく村の祭です。明治初期に八月一日が本祭となりました。万灯を飾り御輿をかつぐ伝統とともに、天王囃子が受け継がれています。この囃子がいつごろから伝えられていたのか定かではなく、昔、福生に住んでいた人が京都で祇園囃子を習い、それをこの地に伝えたのが始まりと言われています。
この天王囃子は、祭の変化とともに、太平洋戦争後その姿を消してしまいましたが、1982年(昭和57年)に、この囃子に愛着をもつ多くの人の協力によって復活し、保存会がつくられて、若い人たちにその伝統が伝えられています。
1992年(平成4年)には福生市の登録文化財となりました。
福生天王囃子の特徴
福生天王囃子は、大太鼓一つと笛が5、6人で構成されています。大太鼓は、竿を固定して前後を人がかつぎ、それを二人から四人が笛の音に合わせて叩きながら行進します。天王囃子に使われる笛は明笛(みんてき)という独特のもので、指孔は六つしかなく(ふつうは七つ)、吹口と指孔のあいだに孔があり、そこに竹紙(ちくし・竹筒のなかにできた薄い紙状の膜)を貼って微妙なふるえが起こるようになっています。これと同じ笛を使っているのは全国でも福生と九州の佐賀だけだそうです。
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天王囃子(このように太鼓を担いで歩く。昔はこれより小型のものが多かった)
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天王祭の万灯(大正15年8月1日)
※出典:福生市教育委員会発行「福生歴史物語」